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No.1100

2004.10.14

飲料・食品

カムカム

株式会社東京めいらく

http://www.sujahta.co.jp

購入先:ampm

105円

3%に賭けろ!ランナーを救え。

マハロ菊池

果汁3%でも1日に必要なビタミンC所要量100mgが入っております。それにしてもカムカムってすごいビタミンC爆弾みたいな果実ですなあ。生で食べたらどうなるんでしょうね。食べれないから果汁3%なのかな。
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この表現、ぎりぎりセーフってとこでしょうかね。

大都会・東京で開催される大規模な市民マラソン大会の、全エイドステーションの統括運営を任された代々木(当時42歳)は途方に暮れていた。もしかしたら過度な運動により体内に生じるフリーラジカル(活性酸素)のせいで、3万人のランナーがフィニッシュラインを目前にして次々と死んでしまうのではないか?。この危機を打開するためには・・・抗酸化物質として大量のビタミンCをエイドステーションで確実に供給できるドリンクをランナーに提供する必要があった。

相談を受けたマラソン経験のある市民ランナーでもあり佐々木の大阪転勤時代の上司でもあった東京支社の渋谷常務(当時)は言った。「今から探して見つかる可能性が3%であったとしても、やってみなはれ。3%でもええやないか。責任はわたしが持つ!」
早速緊急の役員会が開かれ、社内から若手3名のプロジェクト要員が抜擢された。全員マラソン大会のエイドに関してはまったくの門外漢であったが、情熱だけはあった。

期限まで残り1週間。4名での徹夜続きの作業が続いたが、なかなか思ったような飲料に出会えず、意気消沈気味のプロジェクトに代々木は言った。「みんな、今日までどうもありがとう。明日結果が出なければ、、残念ながらそこまでとしよう。」

代々木の内ポケットには数日前から辞表が用意されていた。

そんなときふらっと入ったコンビニで代々木の目に「1日分の野菜」みたいなストレートな商品名、「レモン--約60倍--天然ビタミンC--カムカム--」の文字が飛び込んできた。「カムカム?聞いたこともない果実のドリンクだ・・」文字通りくぎ付けになった。「これだ!これならいける!」震える手でパッケージを掴むとツバメ帰りで帰社し、渋谷常務の元へ走った。「渋谷さん。レモン60個分ものビタミンCであれば完璧ですっ!これで活性酸素で苦しむ幾多のランナーを救えますっ!」

自然と涙が込み上げてきた。

「そうか!やったか!おめでとう!」
代々木の肩をたたきながら、初めて見るカムカムのパッケージに見入った渋谷は眼鏡の奥の光るものを脱ぐおうともせず言った、「代々木君・・」

しかし、次がなかなか声にならない。

「・・これ、君、この黄色い所、良く読んでみなはれ・・」
天地2mm程の小さな文字も続けて読むと、
---カムカム果実には、レモン果汁約60倍の天然ビタミンCが含まれています。---

「カムカム果実には・・・含まれています。」
代々木は目を疑った。書いてあるのはただ単に一般論というか、カムカムの果実としての事実を述べているに過ぎない話ではないか。この200mlパッケージにレモン60個分のビタミンCが入ってるわけではなかった!

しかも、左スミに小さな字で・・・果汁3%だった。
めいらくのアセロラ飲料(果汁2%)に似た味だった。

夜空の星が滲んで見えた。


----このお話はGoods連載100本記念の作り話です。活性酸素によって、次々と死に至ることはありません。ただ運動をする人は ビタミンCを多めに摂取するようにいたしましょう。


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