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四万十川ウルトラ体験記
その3

2004.4.6
ラハイナ・キミコ

No.1111

次第に上り坂になってきます。でも、まだ大丈夫。途中から歩くことになるのは確実なので、前半は1kmを7分半でいく予定。そのペースを幾分きって20kmは2時間25分程。頂上はもうすぐです。膝に違和感が感じられるようになって来ましたが、走れないほどではありません。歩いている人も見かけ、抜かしていきます。天気も良く周辺に緑の山々が連なって、こんな所を走っているのが信じられない気がします。エイドのチョコレートで疲れを癒し、頂上を越えます。(頂上付近の写真は、その2参照)

今度は下り坂です。膝が悪い人は、下りが堪えるとは聞いていましたが、段々キツくなって来ました。今度は圧倒的に抜かれることが多くなり、右膝の着地時間を少しでも短くする為、びっこ気味になって来ます。歯も食いしばり始めました。エイドでは足を止め、屈伸やストレッチをしたり、膝に水もかけてみますが、走り始めの痛みがひどく、かなりまずい状態になっています。トイレにも入りましたが、しゃがむのが大変で出来るなら我慢したいところ。

30km近辺で、「もう少し行くと四万十川が見えるからね」と声をかけられます。いくら痛くても四万十川を見なくては、何の為にわざわざここまで来たのか分かりません。あと少し、見るまでは頑張ろう!と自分にハッパを掛け足を進めます。時々歩きも入るようになり、走っていても、もうほとんど歩いているのと変わらない速度です。自分が情けなくなってきて、涙もにじんで来ました。ハンカチを取り出し目に当てると、周りの人が心配して反対してくれたのを思い出して、ますます泣けて来ます。

ようやく四万十川に合流しました。でもまだ少しでも足は動いています。今度は沈下橋を見るまでは!に、目標を変更します。36.6kmの関門は50分程残して通過しました。大型のバスが数台止まっていて、びっこを引く私に「まだ走れるかい?」と声が飛んで来ます。あぁ、あれが収容車なのかと思いつつ、身振りで断りました。

道がしばらく平坦になります。40km辺りまでは歩きと走りが半々でしたが、少し砂利道が続いた後は、とうとう走ることが出来なくなりました。変な走り方をして来たせいか、今度は胸まで痛くなって来ました。この日の為にCWXのスポーツブラをして来ましたが、普段のものより緩い着け心地です。ひょっとして大胸筋の肉離れか?そうだったら正に泣きっ面に蜂です。とにかく行ける所まで歩きで行くことにし、時々思い出したように、涙がこみ上げてきつつも、ひたすら足を進めます。

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やっと出会えた四万十川。カメラを構えていたら、「もっと先の方にきれいなポイントがあるよ」と教えてくれた人が。
でもどれ程先まで行けるか分からないので、取り敢えず
撮るのでした。


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とても流れが近くに見えます。観光に来ているのだったら
ゆっくり眺めていられるのですが、時間はどんどん減っていってしまいます。


更新:2004.4.6
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