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No.1117

2005.2.21

書籍

「ミトコンドリアと生きる」
瀬名秀明/太田成男著

角川oneテーマ21

http://one.kadokawa.co.jp/

購入先:ブックオフ 練馬高野台店

105円 (600円)

唐突に、一緒に生きてっていわれてもなあ。

マハロ菊池

表紙からして、ミトコンドリアが緑色だと思われそうな色ですね。本当はミトコンドリアは赤いそうです。遅筋に多いしね。
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この本は、「パラサイト・イブ」の作者とミトコンドリア学者の共著になる、先端科学分野のお話だけど、普通の人にもわかりやすくミトコンドリアのことを書いてくれている読みやすい、きっとミトコンドリア好きにはたまらない本です。

私は別にミーヲタではありませんが、ミトコンドリアがATP産生に必要な機関であることや、マラソンのような持久系の運動を行なう際に重要なことは知ってても、実際にどういうしくみでミトコンドリアが体内で運動エネルギーを生成しているのか。別にそんなこと知らないでも、黙って走れっていわれそうですが、気になったので読んでみました。

で、ミトコンドリアは有酸素エネルギー製造工場としての働き以外にも、「アポトーシス」という細胞の自殺を誘発させたり、アルコールの分解に関与する酵素を作ったり、老化に関与したり、さまざまな働きをしているそうです。というか、この本によるとミトコン君自体が生命進化の中心人物みたいな感じですね。生命科学を解く鍵はミトコンドリアにあるみたいであります。

ミトコンドリアは有酸素運動をすることで増えたり、大きくなったりするとマフェトン理論系の本には書いてありましたが、はたしてミトコンドリアを酷使することは健康に良いのか、悪いのか、どっちなんでしょうね。緩やかな ATP合成を行なう有酸素運動は寿命を伸すと書いてありますが、レースペースは身体に悪そうだしね。ちなみにマラソンランナーには鳥類系のハイパワーなミトコンドリアを持ってる人が多いそうです。私が鍛練してもそんなに速くならないのは持って生まれたミトコンドリアの違いなのかもしれませんから、無理して速く走らないほうが良いかもなと思ってしまいましたよ。
http://www.ntv.co.jp/FERC/research/20021117/f1632.html

この本はマラソンを走ることと直接関係はありませんが、普段のたらたら走りをしていて、「ミトコン君、今日も仕事してるね〜」みたいな近しい感じをミトコンドリアに持ってニコニコ走るには良い本であると思います。1日に40kgも体内でATPを作ってるなんてビックリですよ。知らなかったなあ。私たちはミトコンドリアと生きてたんですなあ。それにしてもマラソンを走ろうとすると、妙なところに知識欲が延びていきますね。


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